パーツフィーダ・省力化機械の株式会社シマテック

振動調整について

ボウルと本体のバランスをとるために重要な役割を担うのがバネです。バネが適切に配置されていないと、トラブルの原因になります。パーツフィーダは必ず振動調整を行なって、バネを適切に配置しなければなりません。振動調整とはボウルの振動が最適になるようにすることです。(参照 振動調整の仕方)

振動調整を行うにあたって最初にすることは、共振点(ボウルが最も振動する周波数)を探ることです。ボウル職人は、パーツフィーダのバネをとめているボルトを1箇所緩めることで現状のバネの状態が共振点に対してバネが足りないのか、多いのか判断できます。ボルトを緩めて振動が上がれば 共振点に対してバネは多く、振動が下がればバネは足りません。現在では、インバータ(周波数可変)コントローラを使用し、周波数を変更してボウルが一番振動する周波数をクランプメーター(HIOKI)で確認し50Hzまたは60Hzに対してバネが足りないのか多いのか確認できます。

共振点を確認し、振動調整をするにあたって、もっとも重要な点は必ず共振点を避けて、共振点よりもバネを多く配置するか、少なく配置することです。なぜなら共振点の状態は、いわば波形のてっぺんで、電力状況やワークの投入量に対して非常に不安定であるからです。そのため、共振点の状態で出荷されたパーツフィーダは、作業者が一日に何回もコントローラのボリュームを微調整しなければならなくなります。

共振点よりもバネを多く配置することを強め(共振点に対してバネが強い)・少なく配置することを弱め(共振点に対してバネが弱い)といいます。通常、私たちはバネを強めで調整します。バネのコストはかかりますが、いくつかの理由があるからです。

第一の理由は、通常パーツフィーダのボウル内には絶えずワークが投入された状態であるからです。つまりワークが投入された状態で共振点に近づけるようにしているのです。したがって強めで調整したパーツフィーダは、ワークを多く投入すればするほど振動します。たまに、ワークをボウル内に投入するたびに、作業者がコントローラのボリュームを微調整している例を見かけますが、振動調整が不適切な証拠です。ワークを多く投入すれば振動が落ちるのは当たり前と考えがちですが、実は大きな誤解です。(但し、限度がありますので、発振体の容量に対して過度のワークを投入する場合には定振幅のコントローラを使用します。)

第二の理由は、電力状況の変動に対して弱めよりも影響を受けにくいからです。バネが多いほど剛性も増し、外部の影響を受けなくなります。弱めを推奨しているメーカーもあり、それにはまた別の理由があるのですが、私たちは以上の理由で強めを推奨します。

バネのバランス

通常、発振機(本体)のバネの設置は4箇所です。3箇所の発振機もありますが、4箇所の発振機の方が、こまかく調整できますので使い勝手が良いといえます。ボウルは未加工ボウル(素ボウル)の外周にトラックを延長し、選別部分やワークの回収部分を設けます。そのため、バケットと呼ばれる張り出しが発生します。この張り出しがあることによってボウルの重心が中心からズレます。この重心のズレを解消するためバランサーと呼ばれるウエイトを設置する場合があります。

当社ではバランスをとるためのウエイトはなるべくつけないようにしています。選別箇所を多くとるボウルは、外周のほとんどが張り出し円に近づきますので、ウエイトをつける必要がありません。また、たとえ重心が極端にズレている場合でも4箇所のバネの設置枚数やバネの厚みを変更することによって、当社の発振機ではほとんどの場合、解消することができます。バネ折れの危険性は増加しますが、当社の発振機でのバネ折れはほぼ皆無です。

ボウルの重心がずれている場合、4箇所のバネが同じ条件下(厚みと枚数が同じ)では、
ワークが早く進むトラック部分と遅く進むトラック部分が生じます。そのため、ボウルの張り出しにあわせて4箇所のバネの設置条件を変更します。基本的には張り出し部分の真下のバネを厚いバネに変更するか、バネを足します。

トラックの選別部分では、ワークがゆっくり進む方が好ましいので、そのようにバネのバランスを調整します。選別部分以外のトラックではワークが早く進むことになります。  

インバータ(周波数可変)コントローラの採用によって、バネ調整が不要であることを売り文句にしているメーカーもありますが、素人にとっては簡単で使い勝手が良いとはいえ、職人にとってバネ調整ができないということは、シビアな選別をしなければならない時には致命的に不便といえます。職人であれば、たとえインバータコントローラを採用しても、バネ調整を行うことは当然だといえます。

バネ乗数

厚みが5tのバネ1枚と3tのバネ4枚とでは、どちらが強いと思われるでしょうか? バネ強さは、厚みの3乗に比例します。5tのバネ1枚は(5x5x5)x1枚=125です。 3tのバネ4枚は(3x3x3)x4枚=108です。したがって5tのバネ1枚の方が強いといえます。振動調整を行うときには、このバネ乗数を目安にすると便利です。